本学は2021年に創立120周年を迎えました。その記念事業として「目白の森のキャンパス」をコンセプトとし、学生にとっての学びやすい学修環境づくりと、研究環境の充実を目指すべく、120周年記念募金事業を行いました。募金目標額の21億円はかなり大きな額でしたが、卒業生、関係者だけでなく、保護者の方々からも多額のご寄付を頂き、無事に目標を達成することができました。大変嬉しく、ご寄付いただいた皆さまには感謝の気持ちで一杯です。心より御礼申し上げます。
本学の歴史を紐解きますと、創立時よりさまざまな方からのご寄付あってこその本学であることがわかります。創立者成瀬仁蔵の女子教育への情熱に賛同し、強力な援助と奨励をくださったのは58名の発起人、32名の創立委員、700余名の賛助員の方々です。当時の名簿には、実業家の澁澤栄一、大同生命の創業者であり桜楓会補助団発起人でもある広岡浅子など、政財界の著名な方々が名をつらねていらっしゃいます。
現在の目白キャンパス 5,500余坪の土地もまた、三井家からの寄贈によるものです。また、軽井沢の三泉寮は、1906年に三井三郎助によって提供され、小学校から大学までの児童・生徒・学生、そして卒業生までがさまざまな学びに活用しています。
創立から現在まで行われてきた周年事業の歴史は、七十年館、八十年館、九十年館、百年館と、校舎に名付けられた数字からうかがい知ることができます。120周年記念事業では、新図書館、教室・研究室棟である百二十年館、学生滞在スペースである青蘭館や杏彩館が新築されました。学生滞在スペースである青蘭館や杏彩館の名称は学生の公募によって決まりました。杏彩館は、命名した学生によると「杏」という字は性別を想起させない色を表現し、「彩」の字はこれからの時代に生きる学生たちが尊重していくべき「多様性」を表現しているという事です。1906年に建設された本学のシンボルともいえる成瀬記念講堂は創立60周年記念事業の一環として補修工事を行い、さらに120周年記念事業として耐震改修工事を行いました。
明治から令和までの建物を擁する目白の森のキャンパスでは、日本初の組織的な女子高等教育機関を支援し、奨励してくださった方々の軌跡を辿ることができるのです。
本学の創立者成瀬仁蔵は、一貫教育の重要性に鑑み、1901(明治34)年の日本女子大学校創立と共に、附属高等女学校を開校し、1906年には附属豊明幼稚園、豊明小学校を開校しています。本校の校名に冠された「豊明」の名前は、開校に際し、多額のご寄付をいただいた森村市左衛門の「森村豊明会」に感謝の意を込めて付けられたものです。
2026年には附属豊明幼稚園、豊明小学校が創立120周年を迎えます。本園、本校では、「実物教育」のもと、「自学自動」を基軸とした教育を行っています。自ら進んで学び、行動する中で子ども自身が新たな問いを見つけ、問いに向き合い、一人の人間として社会に関わる力を育むことを大切にしています。人工知能AI が人間に代わって仕事をし、ChatGPTがさまざまな問いに答えるなど、デジタル環境の急速な進展によって社会が激しく変化している現代にこそ、本校の「自学自動」を基軸とした教育が必要とされているのだと考えます。また、本学園では一貫教育の取組の中で、STEAM教育に力を入れ、理系や文系の枠を超えて、問題を見つける力や解決する力を幼稚園、小学校のような低年齢のうちから育むべきであると考えております。
附属豊明小学校では、この120周年を節目に、国際社会の中でも豊かな人間性を発揮する児童の未来を支える「世にさきがけし学び舎」となることをめざした創立120周年記念事業を計画しております。
大学では、2023年度に国際文化学部を新設しましたが、さらに、2024年度に建築デザイン学部(仮称)、2025年度に食科学部(仮称)の開設を構想中です。
本学創立当初から、創立者成瀬仁蔵が日本女子大学のあり方を模索し続けたように、これからの学校法人日本女子大学も変化の激しい社会を支え、新たな価値を創造する人材を育てるために、学園として如何にあるべきか、検討し続けてまいります。
今後とも引き続き、ご支援ご協力を賜りたく、謹んでお願い申し上げます。
本学では、一人ひとりの学びを支える寄付を随時募集しております。
たとえば「JWU Global Fund 国際交流基金」は、海外諸大学との交流事業の促進を目的とし、国際セミナーの開催や、在学中の外国人留学生が財政困難に陥った場合の一部財政援助などに充てられています。
「日本女子大学教育施設設備等充実資金」は、老朽化した施設の改築や、教育設備の充実に充てるものです。その他、遺贈寄付なども受け付けております。
教育研究用施設設備資金、生徒・学生支援資金に充当いたします。
指定口座へのお振り込み、または直接経理課にご持参いただく場合は1口 5,000円から、インターネットでのお申込みの場合は3,000円から 1,000円単位で承ります。
世界で学び、グローバルな視野を身につけて、日本や世界に貢献する学生を応援します。
5万円以上のご寄付をいただいた方には、JWU Waveのモチーフをデザインしたオリジナルスカーフを顕彰としてお届けいたします。
寄付に関するお問い合せ、ご相談などはこちらから承ります。
皆さまの多大なるご支援・ご協力に、深く感謝申し上げます。