本学の家政学部住居学科では、「生活する」という視点から「住居」を追究し、約5,500名の卒業生を送り出してきました。1956年に建築士の資格が取得できるカリキュラムを導入して以降、多数の建築家も輩出しています。
2024年に誕生する建築デザイン学部(仮称)は、女子教育の基盤を現代の社会の要請の応じられるようさらに強化します。
2024年4月開設予定(構想中)
本学の家政学部住居学科では、「生活する」という視点から「住居」を追究し、約5,500名の卒業生を送り出してきました。1956年に建築士の資格が取得できるカリキュラムを導入して以降、多数の建築家も輩出しています。
2024年に誕生する建築デザイン学部(仮称)は、女子教育の基盤を現代の社会の要請の応じられるようさらに強化します。
建築デザイン学部では、住居から都市空間までの広範な建築専門分野の理解と、それらを統合するデザイン教育をカリキュラムの根幹としています。
初年次の必修である「専門導入科目」で学部の中核をなす6分野(建築デザイン、生活、計画、歴史、構造・構法、環境・設備)を網羅的に学び、建築デザインの全体像を把握します。
2年次以降の「建築設計スタジオ」では小規模な集合住宅から地域施設、地区計画へと徐々に規模を大きくしながら、地域・社会課題を解決できる力を養います。将来の進路を見据えた発展科目には、まちづくりや建物の保存再生、構造デザインなど、専門性の高い「実践演習科目」が設定されています。
さらに「建築専門英語」の授業や海外の大学等と連携したワークショップなど、グローバルに活躍できる「建築デザイン」のスペシャリスト育成を目指します。
建築デザイン学部では、篠原聡子学長をはじめ、多彩な教授陣による研究室が設置されます。
「住む」ことから、建築をデザインする
篠原聡子研究室
#建築デザイン #集合住宅 #コモンスペース #シェアハウス
すべての人が生活しやすい環境づくりを目指す
佐藤克志研究室
#バリアフリー・ユニバーサルデザイン #福祉のまちづくり #建築人間工学
建築デザイン学部スペシャルサイトでは、他の研究室や卒業生の活躍も紹介しています。
一級建築士、二級建築士、木造建築士(国家資格)
→受験資格取得可能。卒業要件単位に含まれる科目のうち、所定科目、所定単位を履修する。
一級建築施工管理技師、二級建築施工管理技士(国家資格)
→受験資格取得可能。卒業することで受験に必要な実務経験が短縮。
博物館学芸員(国家資格)
→資格取得可能。卒業要件単位に含まれる科目のほか、学芸員関連科目の履修が必要。
建築デザイン学部に関する情報はこちらから
佐藤克志(さとう・かつし)
日本女子大学家政学部住居学科教授。1981年、東京理科大学理工学部建築学科を卒業。同大学院修士課程修了後、建設省建築研究所を経て、1995年から国連・アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)のバリアフリー環境推進専門家としてアジア諸国のバリアフリー環境整備に携わる。1999年より本学家政学部住居学科の教員としてバリアフリー・ユニバーサルデザインに関する教育に従事する。主な社会活動として、(一社)日本福祉のまちづくり学会・会長、国土交通省・高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準改訂委員会・委員、地方公共団体(豊島区、台東区、三鷹市、武蔵野市など)のバリアフリーのまちづくり推進協議会・会長、新国立競技場ユニバーサルデザインワークショップ・座長などがある。
建築という学問は、人文、理工、芸術を融合させた総合学問です。欧米における建築学の分野には、スクール・オブ・アーキテクチャーなどの教育機関があり、独立した総合学問として扱われてきました。一方で日本の建築専門教育は、工学部の中の建築学科として設置されることが多かったのですが、近年ではその枠組みから独立して教育を行う事例が増えています。
従来、工学部の中にあった建築学科は建築技術の習得に重きが置かれてきましたが、総合学問としての建築学は、技術と併せて建築の利用者や居住者の視点に立った環境デザインが求められています。
家政学部住居学科として行ってきた教育は、まさに「建築の利用者や居住者の視点」を重視するものです。建築を利用する人、そこに住まう人の中には、建築の技術者も研究者も学生も、すべての人が含まれています。そのような視点で建築を語ってきた本学の「住居学科」は、建築を総合学問として伝統的に探究してきたと言えます。
このたび「建築デザイン学部 建築デザイン学科」として独立するのは、その「総合学問としての建築」をさらに充実させるためです。
本学の住居学科からは多くの著名な建築家を輩出しています。星野リゾートをはじめとする多くの建築を手がけている東利恵氏、設計事務所アトリエ・ワンを共宰し、スイス連邦工科大学チューリッヒ校の教授である貝島桃代氏、株式会社シーラカンスアンドアソシエイツを共宰し、法政大学教授で日本学術会議の連携会員を務める赤松佳珠子氏、そして世界的な建築家、妹島和世氏は本学キャンパスのグランドデザインを手掛けられました。
私自身はESCAPやJICAの専門家としてアジアのバリアフリーの環境整備に関わってきました。現地の障がい者や建築関係者と一緒に議論し、例えば、建物の入り口にスロープが一つできただけでも達成感があり、そのような喜びを一つ一つ積み重ねていく仕事でした。近年は地方公共団体の福祉のまちづくりに関わり、ゼミの学生と一緒に「まち点検」と呼ぶ街歩きに出かけることもあります。学生にとって障がい者と直接触れ合い、街の課題を肌身で感じることのできる貴重な機会となっています。
ゼミを担当する各教員が持つそれぞれのフィールドは、学生の学びの場となって社会と結びついていきます。
先日、学内で学生生活の満足度に関するアンケートが実施されましたが、住居学科では9割を超える学生が「満足」と回答しました。建築デザイン学部も演習課題が多く、忙しい学生生活を送ることになるでしょう。しかし、それら課題を通して「学び」を積み上げていくこと、それにより達成感を感じることができることが、満足度の高さにつながるのだと思います。
スクラップ・アンド・ビルドの時代が終わった今、既存の建物や都市をいかに再生するか--それは本学が伝統的に見つめてきた課題です。建築や都市というのは多くの人にとっては予めそこにある(用意された)環境です。その環境をデザインし、よりよいものに作り変えていくことができたら、あなたの、そして他の人々の生活はもっともっと豊かになるはず。それができるのが建築デザイン学部です。
建築デザイン学部の「基礎工事」はすでに完成しています。ここから時代のニーズにあった「住居」「建築」「都市」を学生と共にデザインしていきます。