日本女子大学



建築でかなえられることのすべてを。

MESSAGE

コンセプトメッセージ

この社会には、
いろいろな人の、いろいろな
「生きる」があります。
その生き方と、時代の変化の中で
建築のあるべき姿は
どう変わっていくのでしょう。

人とその生活をずっと見つめ、
ずっと考え続けてきたわたしたちだから、
できることがあります。

あなたの想いも、誰かの喜びも
建築でなら、きっとかなえられるはずです。

目の前に広がる空間に、
あなたはどんな未来を描きますか?

LABORATORIES

研究室の紹介
建築デザイン学部には多彩な教授陣による個性的な研究室が設置されています。
  • 住宅・建築デザイン 
    篠原聡子 研究室

    SHARE tenjinchoは、レストラン・コワーキングスペース・シェアハウスを含む複合建築です
    SHARE tenjinchoは、レストラン・コワーキングスペース・シェアハウスを含む複合建築です
    建築のデザインを通して、人がどう共に在ることができるかを考えています
    建築のデザインを通して、人がどう共に在ることができるかを考えています
    4年生では、調査研究に基づいた卒業制作を行います
    4年生では、調査研究に基づいた卒業制作を行います
    篠原研究室での調査をまとめた書籍です
    篠原研究室での調査をまとめた書籍です
    篠原聡子(しのはらさとこ) 教授
    篠原聡子(しのはらさとこ) 教授
    「住む」ことから、建築をデザインする
    建築は、人の暮らしにどのような影響を及ぼし、同時に建築は人に住まれることによってどのように変化するのか?建築と人の暮らし、建築とコミュニティの関係に着目してフィールドワークを行い、それを現実の建築のデザインにフィードバックすることを目指し活動しています。
    • 建築デザイン
    • 集合住宅
    • コモンスペース
    • シェアハウス
  • 建築・都市・プロダクトデザイン 
    宮晶子 研究室

    宮晶子教授が主宰するmiya akiko architecture atelier設計の〈那須の山荘〉でのゼミ風景です
    宮晶子教授が主宰するmiya akiko architecture atelier設計の〈那須の山荘〉でのゼミ風景です
    〈那須の山荘〉をはじめ、実際の建築の経験を通して学びます
    〈那須の山荘〉をはじめ、実際の建築の経験を通して学びます
    人間の“経験“と”もの“の関係を理論と実践から日々探求しています
    人間の“経験“と”もの“の関係を理論と実践から日々探求しています
    大学院では、展覧会への出展やコンペへの参加、プロトタイプ設計、家具制作などを行います
    大学院では、展覧会への出展やコンペへの参加、プロトタイプ設計、家具制作などを行います
    宮晶子(みやあきこ) 教授
    宮晶子(みやあきこ) 教授
    見えるものと見えないもの
    − 生態学的建築を考える −
    小さなオブジェクトから建築物、都市に至るまで人間は経験の中で“もの”をどのように位置付けているのか。身のまわりに見えるすべての人工物のあり方について考え、目には見えない人の情緒に寄り添い、身体を通して無意識のレベルで起こる充足感を求めて、理論と実践から日々探求しています。
    • 実存的場所
    • 建築理論
    • 生態学的デザイン
  • 生活環境防災・安全 
    平田京子 研究室

    文京区防災フェスタに出展、乳幼児のご家族とふれあいながら研究調査
    文京区防災フェスタに出展、乳幼児のご家族とふれあいながら研究調査
    学生開発の防災紙芝居を読み聞かせ中 防災教育や市民啓発にも取り組んでいます
    学生開発の防災紙芝居を読み聞かせ中 防災教育や市民啓発にも取り組んでいます
    自治体との社会連携授業で本学の赤ちゃんとお母さんのための避難所開設を実践
    自治体との社会連携授業で本学の赤ちゃんとお母さんのための避難所開設を実践
    ラーニングコモンズさくらでグループワークショップ中
    ラーニングコモンズさくらでグループワークショップ中
    平田京子(ひらたきょうこ) 教授
    平田京子(ひらたきょうこ) 教授
    生活に密着して、人に寄り添う、市民目線で発想
    住居、建築、コミュニティ、生活環境を対象に安全や防災、再建と復興、共助の研究活動を行っています。ユーザーと生活から発想し、人の思いを形にすること、空間とコミュニティの活性化をめざしています。例えば子どもから高齢者まで多様な主体が共同生活を送る避難所を自治体等と共に考えています。
    • 生活環境・コミュニティデザイン
    • 住生活
    • 防災・安全
    • 建築性能
  • ユニバーサルデザイン 
    佐藤克志 研究室

    キャンパス(写真は図書館)のバリアフリーチェック
    キャンパス(写真は図書館)のバリアフリーチェック
    ハンドル型電動車椅子のスペーススタディ
    ハンドル型電動車椅子のスペーススタディ
    VRシステムを用いた案内サインのわかりやすさの評価実験
    VRシステムを用いた案内サインのわかりやすさの評価実験
    「まち」のバリアフリー整備に関するヒアリング調査
    「まち」のバリアフリー整備に関するヒアリング調査
    佐藤克志(さとうかつし) 教授
    佐藤克志(さとうかつし) 教授
    すべての人にとって生活しやすい環境づくりを目指して
    高齢社会において高齢者・障がい者を含むすべての人が安全かつ安心して生活するために「住宅」「建築」「まち」はどうあるべきでしょうか?佐藤研究室では、公的研究機関や民間企業、地方自治体、そして障がい当事者グループと協力しながら、バリアフリーやユニバーサルデザインの視点を重視して研究活動、社会活動を行っています。
    • バリアフリー・ユニバーサルデザイン
    • 福祉のまちづくり
    • 建築人間工学
  • 福祉住環境デザイン 
    植田瑞昌 研究室

    子育ち・子育てバリアフリーマップづくりのためのまち歩きの様子
    子育ち・子育てバリアフリーマップづくりのためのまち歩きの様子
    子育て当事者と障害のある方とのまちづくりに関する意見交換会
    子育て当事者と障害のある方とのまちづくりに関する意見交換会
    福祉機器・福祉用具を活用した住環境整備に関する調査・研究
    福祉機器・福祉用具を活用した住環境整備に関する調査・研究
    施設の改修案をテーマに、多職種連携による実践型の自治体職員研修会
    施設の改修案をテーマに、多職種連携による実践型の自治体職員研修会
    植田瑞昌(うえだみずよ) 助教
    植田瑞昌(うえだみずよ) 助教
    インクルーシブな生活環境を創る
    誰もが安全・安心して地域社会で生活できるよう、高齢者や障害児・者の生活環境整備方策について、生活者の視点で調査・研究を行っています。特に障害のある子も、ない子も共に学び・育ち・遊ぶインクルーシブ(包括的)な空間を目指し、当事者団体や自治体等と協働しながらさまざまな社会活動を行っています。
    • 福祉住環境
    • 建築計画
    • ユニバーサルデザイン
  • 地域居住 
    薬袋奈美子 研究室

    生活道路を生活空間にする研究を国内外で行っています
    生活道路を生活空間にする研究を国内外で行っています
    住居の中と外の生活を繋がり方を考えるために、境界領域の在り方を探っています
    住居の中と外の生活を繋がり方を考えるために、境界領域の在り方を探っています
    住民主体で計画・運営される防災公園づくりに参加しています
    住民主体で計画・運営される防災公園づくりに参加しています
    防災・復興まちづくりの研究 被災地とも繋がりながら、最善の方法を考えます
    防災・復興まちづくりの研究 被災地とも繋がりながら、最善の方法を考えます
    薬袋奈美子(みないなみこ) 教授
    薬袋奈美子(みないなみこ) 教授
    住まい手の生活を豊かにするまちづくり
    薬袋研究室では、生活を豊かにするためのまち・村・地域づくりを考えています。自然と上手く共生し、人と人の出会いを楽しみ、充実した気持ちで生活をできる空間づくりを応援・研究します。生活道路の使い方、緑のあるまち、防災、住教育等を切り口にしています。
    • 都市計画・まちづくり
    • 住生活
    • 防災・復興まちづくり
    • 住教育
  • 住生活デザイン 
    古賀繭子 研究室

    住宅・集合住宅・団地をフィールドに研究しています
    住宅・集合住宅・団地をフィールドに研究しています
    観察調査での分譲マンション団地内のお祭りの様子
    観察調査での分譲マンション団地内のお祭りの様子
    コミュニティ実態調査の対象地である低層集合住宅のコモン
    コミュニティ実態調査の対象地である低層集合住宅のコモン
    買物による外出行動調査も研究しています
    買物による外出行動調査も研究しています
    古賀 繭子 助教
    古賀繭子(こが まゆこ) 助教
    暮らし方から豊かな住環境を提案
    高齢化や共働き家族や在宅ワークの増加など、社会情勢やライフスタイル、身体機能の変化に適応した住環境や支援体制、地域コミュニティの研究を進めています。住宅内や地域での生活をフィールドワークにより把握し、暮らし方から新しい発想を得て、豊かな住環境を目指し提案を行っています。
    • 住生活
    • 建築計画
    • 生活支援
    • 福祉住環境
  • 都市地域史 
    片山伸也 研究室

    イタリア北部のポルティコ(列柱廊)のある町並み
    イタリア北部のポルティコ(列柱廊)のある町並み
    イタリア北部の都市パドヴァの市場(エルベ広場)の様子
    イタリア北部の都市パドヴァの市場(エルベ広場)の様子
    重伝建地区木曾平沢での町並みに関する研究報告会の様子
    重伝建地区木曾平沢での町並みに関する研究報告会の様子
    横浜市磯子区の商店街再生計画(卒業制作)の地元での報告会
    横浜市磯子区の商店街再生計画(卒業制作)の地元での報告会
    片山伸也(かたやましんや) 教授
    片山伸也(かたやましんや) 教授
    都市空間に流れる人々の生活を見つめる
    片山研究室では、住宅から都市まで、住空間の歴史的な形成過程とその社会的・文化的背景および通りや広場、街並み等の公共空間を研究のテーマとしています。イタリアや日本の都市を中心に、史料の読解や現地調査を通して地域コミュニティが育んできた個としての住空間と公としての都市空間の可能性を探求しています。
    • イタリア
    • 都市形成史
    • 公共空間
    • 文化的景観
  • 建築保存再生 
    是澤紀子 研究室

    神社建築と周辺環境が織り成す景観を探求しています
    神社建築と周辺環境が織り成す景観を探求しています
    歴史的建造物の保存と再生をめぐる調査研究に取り組んでいます
    歴史的建造物の保存と再生をめぐる調査研究に取り組んでいます
    明治37年の本学茶室「静寧亭」における実測演習の様子です
    明治37年の本学茶室「静寧亭」における実測演習の様子です
    本学成瀬記念講堂の保存と再生における調査風景です
    本学成瀬記念講堂の保存と再生における調査風景です
    是澤紀子(これさわのりこ) 教授
    是澤紀子(これさわのりこ) 教授
    土地の文脈を生かした保存・再生
    文化財保存学と都市・建築史学を両輪に、今日までの歴史的な都市や建築と、そこでの環境を読み解くことで、土地の文脈を生かした保存・再生を試みる研究に取り組んでいます。現場には、文献資料だけでは得られない多くの発見があります。現存するモノと環境が語る文脈を読み解くことを大切にしています。
    • 保存・再生
    • 文化財保存
    • 日本建築史
    • 景観
  • 建築構造デザイン 
    江尻憲泰 研究室

    実験棟に学外の人を招待しての公開強度実験
    実験棟に学外の人を招待しての公開強度実験
    120年記念館での炭素繊維より線の水平性の確認試験
    120年記念館での炭素繊維より線の水平性の確認試験
    炭素繊維素材を用いて作られた螺旋部材の強度試験
    炭素繊維素材を用いて作られた螺旋部材の強度試験
    450年前の歴史的建造物(五重塔)の振動計測による構造調査
    450年前の歴史的建造物(五重塔)の振動計測による構造調査
    江尻憲泰(えじりのりひろ) 教授
    江尻憲泰(えじりのりひろ) 教授
    歴史的建造物の調査補強、新素材の活用研究、小さな構造・住居構造・大規模構造の構造デザイン
    小さな“もの”から大きな“もの”まで、物理の法則は共通です。力の流れや素材の性質が解ると新しい建築のシステムの考案、歴史的建造物の補強設計、劣化や破壊現象の解明が可能となります。実際のプロジェクトを題材に必要となる調査や実験を行い実際にフィードバックしながら研究・開発を行います。
    • 構造デザイン
    • 歴史的建造物補強
    • 新素材
    • 劣化診断
  • 建築環境・設備 
    細井昭憲 研究室

    ヒートポンプの実働効率推定法に関する研究
    ヒートポンプの実働効率推定法に関する研究
    自然通風の排熱効率に関する研究
    自然通風の排熱効率に関する研究
    自然風の数理モデルを用いた再現とVRによる心理・生理的効果に関する研究
    自然風の数理モデルを用いた再現とVRによる心理・生理的効果に関する研究
    ウィルスの拡散を抑制するドーム型空調方式に関する研究
    ウィルスの拡散を抑制するドーム型空調方式に関する研究
    細井昭憲(ほそいあきのり) 教授
    細井昭憲(ほそいあきのり) 教授
    快適性と環境負荷削減の両立を目指して
    本研究室では、省エネルギー、環境負荷削減、自然エネルギー利用をキーワードに、建物の計画方法や都市のあり方を模索します。実測、シミュレーション、実験およびそれらの組み合わせにより研究を進めます。主として温熱環境、光環境、風環境ならびに設備システムを対象にしています。
    • 建築環境計画
    • 建築設備計画
    • 環境負荷削減
  • 住居・建築・地域デザイン
    研究室

    暮らしの変化に伴う伝統的な住まいの改修事例の紹介
    暮らしの変化に伴う伝統的な住まいの改修事例の紹介
    住民参加のワークショップを通して子どもの居場所を計画しています
    住民参加のワークショップを通して子どもの居場所を計画しています
    保育園の園庭の模型作製を通して、子どもの遊びを理解します
    保育園の園庭の模型作製を通して、子どもの遊びを理解します
    放課後の子どもの居場所に必要な家具製作に取り組んでいます
    放課後の子どもの居場所に必要な家具製作に取り組んでいます
    福島の人々と共に日常生活の回復に取り組んでいます
    福島の人々と共に日常生活の回復に取り組んでいます
    生活する当事者と共に環境をデザインする
    少子高齢化、人口減少社会の現状を踏まえて、家族や住まいの変化、住居から外部化し社会化した施設やサービスにも注目しています。人々が利用する空間の使われ方、ヒアリング、観察、アンケート調査、また、ワークショップや模型作りなどを通して、住居・建築・地域をデザインします。
    • 環境行動
    • 地域施設
    • 住生活
    • 建築計画

ALUMNAE

卒業生の声
日本女子大学で学びを得た卒業生たちが、どんな仕事に取り組んでいるかをご紹介します。
※建築デザイン学部の前身である「家政学部 住居学科」の卒業生
(2022年8月時点の内容です)
  • 相手の立場になる。大学でのプロジェクト推進で得たもの。

    羽島愛奈さん

    2013年 住居学科卒業

    2015年 住居学専攻修士課程修了

    勤務先:独立行政法人都市再生機構

    • 現在の仕事内容を教えてください。
      私が働いているのは、独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)という会社です。現在は都市再生部門で都市計画やまちづくりに関する仕事を担当しています。具体的には、民間事業者や地方公共団体と連携した都心の再開発事業の計画や、ガイドライン策定等の上位計画策定支援、エリアマネジメント組織の運営等です。民間企業と異なり政策的意義の高い事業を率先して行うのがURの主な特徴です。
    • 大学で学んだことは?

      研究内容はもちろんですが、それよりも筋道を立てて論理的に考える力がついたと思います。社会人になると、短時間で分かりやすく相手に説明することが重要です。論文は書く前に構成や文章の組み立てを考えなくてはなりません。どうやって説明すれば分かりやすいかとか、どういう図を作れば理解してもらえるかなど、現在の業務においても非常に役立っていると思います。

      また、豊島区の助成金をいただき『ワイワイぞうしがや』という、地元住民にも参加してもらってまちの賑わいづくりをする団体を立ち上げました。区役所の方たちの前で企画のプレゼンテーションをしたり、イベントを企画実施したり、一つのプロジェクトを立ち上げから仕上げまでを体験できたことは、いまも活きています。

      最初は自分たちが考えたことを一方的に企画として提案してしまい、住民の方々に怒られました。すっかり打ちのめされてゼミに戻ったのを覚えています。その経験から相手の立場になって企画提案することの重要性を学びました。また、地域のお店等にチラシをおいてくださいと飛び込みでお願いに行ったりしていたので、見ず知らずの人と交渉する度胸もつきました。加えて、企画と併せてコストを考える大切さを学生時代に経験できたのはよかったですね。

  • 「使う人のことを考えた設計」を力に、
    第一線で様々な仕事にチャレンジする日々。

    平井未央さん

    2018年 住居学科卒業

    2020年 住居学専攻修士課程修了

    勤務先:隈研吾建築都市設計事務所

    • 現在の仕事内容を教えてください。

      今は隈研吾建築都市設計事務所に勤めています。まだ就職して3年目ですが、有難いことに色々な業務を行わせてもらっています。とくにその中で一番規模が大きいのは、デザイン監督として携わっている高さ100メートルあるタワーホテルのファサードですね。あと公共施設としての劇場も手がけています。こちらは行政と一緒に『映像に特化したような、少し新しい劇場ができないか』という構想段階から参加して、ワークショップを1年くらいやってようやく基本設計に取り掛かり始めたところです。その他にも、学校の小さなエントランスカフェや仮設のパビリオンなど、本当に幅広く担当させてもらっています。いろいろとチャレンジができて、毎日が刺激的で楽しいです。

      ※ちなみに2枚目の写真は、コロナ後に、事務所に新しく新設された、1人用のオンライン会議ブースです。フリーアドレス式の会社なので、ブースの中や、デスク、自宅など、自由に移動して仕事をしています。
    • 大学進学時に住居学科を選んだ理由は?

      高3になるまで建築を志してはいなかったのですが、ずっと何かを創る人になりたいと考えていました。それが次第に、社会や人と関わりながら何か創る人になりたいと考え方が変化し、社会や人と密接に関わる芸術である建築に興味を持つようになり、複数の工学部の建築学科を見に行きました。そうした中、家政学部建築系のオープンキャンパスに行ったとき、展示されていた模型を見て、すごく人のことを考えてあると思ったんです。工学部系の模型はスケールが大きなビルみたいな模型が多かったのに対して、家政学部はインテリアまで作られているのを見て、住む人のことまで考えていると思いました。それで、『自分の考えたい方向はこっちに近いかもしれない』と住居学科に決めました。

      ※住居学科=建築デザイン学部の前身
  • 大学でも、社会に出てからも、学び続ける姿勢が大事。

    野島香織さん

    2011年 住居学科卒業

    2013年 住居学専攻修士課程修了

    勤務先:東京都

    • 現在の仕事内容を教えてください。

      最初は財務局で都立建築物の新築・改築・改修工事に携わりました。都立学校を担当する部署、美術館や病院を担当する部署、オリンピック・パラリンピック施設を担当する部署を回り、設計から工事まで一連の業務を経験しました。

      6年目に都市整備局へ局間異動となり、区画整理の担当となりました。建物移転のための補償金を算定し、対象の建物を訪問して折衝をする部署です。

      現在は建築指導関係の部署でバリアフリー関係の業務を担当しています。バリアフリー法に基づく認定審査や、東京都バリアフリー条例の見直し等を行なっています。

    • 大学で学んだことは?

      東日本大震災の直後、保育所の防災避難について研究しました。先生にご紹介いただき、小学校の空き教室の保育所への転用という国のプロジェクトに携わらせていただいたことも印象深いです。

      社会に出て一番驚いたことは、自分がいままで学んできた知識だけでは足りないということでした。私は都職員として最初に設計から工事まで一連の流れを担当する部署に配属されたので、積算・図面チェックや設計変更など、大学で学んだ広い知識だけでは太刀打ちできませんでした。実際の社会で必要とされる専門的な知識まではどこの大学(学科)でも踏み込んでいないと思います。そのため、社会に出てから自分で勉強することは本当に多く、これは建築関係のみならず、どの職種にもいえることだと思います。

  • 大学の学びと、自身の人生経験も活かす。
    暮らす人のことを考えた住まいづくり。

    市来麻衣子さん

    2006年 住居学科卒業

    勤務先:旭化成ホームズ株式会社

    • 現在の仕事内容を教えてください。

      住居学科卒業後、旭化成ホームズに入社しました。入社して16年間、設計担当として住宅の設計に携わり、これまでに個人の住宅を中心に330棟以上の物件を担当しました。実際にお住まいいただくお客様に、どのようなお住まいにされたいかを伺いながら設計をし、竣工まで担当するので、お住まい頂いた後までお客様との関係が続くことが仕事の醍醐味の一つです。家事や育児など、自分自身の経験も仕事に活かせていると感じています。17年目を迎え、新たな仕事に挑戦してみようと思い、くらしノベーション研究所という部署に異動しました。現在は調査研究を行っています。

    • 大学進学時に住居学科を選んだ理由は?

      小学生の時から自分の部屋の模様替えをするのが大好きで、いつかインテリア関係の仕事をしてみたいと思うようになりました。また、父が公園の設計をしており、幼いころから図面が身近なところにありました。父からの「将来進むのであれば建築士を目指した方が良い」というアドバイスもあり、建築の道を志しました。日本女子大学の住居学科に興味を持ったのは、母の友人に卒業生の方がおられ、その方から「業界で活躍している卒業生が多い」と聞いたことがきっかけです。オープンキャンパスに行ってみると、暮らす人のことを考え、住まいを中心に学べるところが魅力的だったので、住居学科を目指しました。実際に社会に出て働く今、住居学科卒業の先輩方が多くいらっしゃることや、学生時代に学んだことが仕事に役立っている実感を持てているので、住居学科を選んで良かったと思っています。

  • 「その人にとっての快適さ」を考え、形にしていく。
    学生時代の経験が今の仕事の糧に。

    田中絹子さん

    2010年 住居学科卒業

    勤務先:東日本旅客鉄道株式会社

    • 現在の仕事内容を教えてください。

      JR東日本の中でも、鉄道インフラではなく「生活サービス」と呼ばれている駅ナカや駅チカのオフィスや商業施設をはじめとした不動産開発に携わっています。今まで携わった仕事としては「東京駅グランスタ丸の内」「ホテルメッツ秋葉原」「ecute EDITION有楽町」「ecute EDITION新橋」などがあり、用途も様々で毎回新たな発見と学びがあります。施主として、建物全体のコンセプトや用途構成を決める段階から設計会社と打合せを重ねて基本設計・実施設計を進め、工事中は施工会社と現場で詳細の仕様を検討し、開業を迎えるといった、計画の構想からお客様にご利用いただくまで、様々なフェーズに携わりながら、その地域・その駅をご利用されるお客さまにとってどんなサービス・どんな体験があったら便利で楽しく何度も行きたくなるか、日々考えながら仕事をしています。

    • 大学で学んだことは?

      住居学科は、自ら考えたものが目に見えるかたちで表現されるということがとても面白く感じ、中でも人が過ごす空間を作ることができるという高校時代までには体験できない未知の世界にとても惹かれて専攻しました。実際、住居学科では人が暮らす拠点でもある住居を軸に生活スタイルから、歴史、それを踏まえた建築計画といった様々な視点で学びを増やすことができました。そのような座学も踏まえながら、設計課題を通じて考え、表現することの難しさや面白さを経験してきました。一つの空間をつくるときに、どのような時間を誰にどう過ごしてもらいたいのか、その人にとっての快適さは何なのかを考え、それを形にしていくという作業は何度も悩み、苦しみながらも形にできた際の達成感や自分の答えと向き合う時間は、今の仕事を進めていく中でも糧になっていると実感しています。設計課題では、同じ課題でもその捉え方や解決方法・表現方法が人によって様々で、そんな考え方があったのかと感心することも沢山ありました。一つの視点に凝り固まらずに、様々な視点で物事をとらえ、自分なりの答えを突き詰めながら考えるという大切さについても、住居学科の課題を通して学んだことだと感じています。そして何より、その苦楽を共にしてきた住居学科の友人は一生の友達になると思います。

  • ゼミ活動で気づいた「人」を意識したものづくりの必要性。

    入江葉子さん

    2018年 住居学科卒業

    勤務先:鹿島建設株式会社

    • 現在の仕事の内容を教えてください。

      私は鹿島建設株式会社に勤めています。最初は世界的に有名な建築家が設計した、美術館やホテルなどの複合施設の現場に配属され、竣工まで一連の工事を経験しました。現在は横浜みなとみらい21地区の大規模複合開発の一環である、音楽アリーナ、ホテル、オフィスの建設に携わっています。今担当しているのは内装工事ですが、世界最大規模のアリーナをつくっているという誇りを胸に、上司や部下、たくさんの職人さんと会話しながら、ものづくりをしています。入社5年目になり、躯体工事、内装工事など様々な工種を担当させてもらいました。最近は、今までの経験をいかして安全かつ施工しやすい方法を提案し、工事を進められることが増えてきました。まだまだ学ぶことの方が多いですが、楽しく充実した日々を送っています。

    • 大学で学んだことは?

      特にゼミ活動で取り組んだワークショップの経験は、仕事にも様々なところでいきています。卒業論文では集合住宅の住民向けのワークショップを実施し、共用スペースの設計と運用方法の検討を行いました。毎回ワークショップに向けて、パワーポイントを使って説明資料を作り、プレゼンテーションをするためにたくさんの準備を行いました。建築の専門家ではない住民の方相手のプレゼンテーションなので、言葉選びを意識したり、写真やイラストなどの視覚的な仕掛けを施したりするなど、工夫しました。就職後も自分の考えを説明する機会はたくさんあります。初めて見た人が分かりやすい資料をつくり説明することは、学生時代に培った力がいかされていると思います。
      また、住民の方が建物や空間について真剣に向き合っている姿や、生活する場所に愛着を持っている様子を目の当たりにし、つくり手として「人」を意識したものづくりをする必要があると考えるようになりました。建物はつくれば終わりではなく、使われて、暮らしを豊かにするためにあるということを忘れず、これからもものづくりに携わっていきたいです。