2023年 履修の手引き
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-344- 心理学とは、「心」を様々な角度から研究する学問です。本学の心理学科は、複雑化する現代社会における「心」のあり方を、幅広く、複合的に探究することをめざしています。心理学は、大きく分けて、基礎的・科学的アプローチを行う「基礎心理学の領域」と実践的なアプローチを行う「人間関係・臨床心理学領域」があります。この2本の柱の両方をしっかり学ぶことで、基礎的・科学的なものの考え方を身に着け、さらに、実践的に心理学を生かすことができるような人材を育てることを目的として、カリキュラムを構成しています。 基礎心理学の領域では、知覚、認知、感情、神経、生理、比較、進化、発達などの心理学を学ぶことができる科目を幅広く展開しています。これらの授業を通して学ぶ基礎的・科学的考え方は、物事を客観的にとらえる視点を育て、状況を判断し、他者に的確に伝える力となります。人間関係・臨床心理学領域では、人格心理学、臨床心理学、社会心理学など、対人的な心理学を中心におき、さらにその応用の分野として、家族、コミュニティ、犯罪などの心理学も学べます。これらの領域では、現代社会がかかえる人間の心の問題を深く掘り下げる力を育て、他者とのコミュニケーションや社会の仕組み、心の健康の維持増進、問題への支援などについて、自ら考え実践する力が身に付きます。 このような、人間の心についての基礎的、応用的な学びを通して、客観的な判断力と柔軟な思考、他者とのコミュニケーションの力や組織の中で生きる実践力を持つ人材を養成することが本学科の理念です。そしてその実現のために、参加型、体験型の授業を多く取り入れています。特に、1,2年次に少人数制の演習・実験科目が必修となっており、心の仕組みや働き方を明らかにするための、心理学的な研究方法を学びます。学びを、さらに3,4年生の演習や卒業論文でより専門性を高めていきます。また、少人数で演習や実験を行うことで、教員や他の学生とのコミュニケーションの機会が増え、自らの考えを他者に伝える力が身に着くだけでなく、他者の意見を聴くことで様々な考えに触れ、視野を広げることにもつながります。このような実践型の学びの積み重ねを通して、真の社会人力を育てていくことを目的としています。こうした学びは、公認心理師、臨床心理士等の資格を取って現場で仕事をする際にも、また企業等で働く際にも役立てられる、社会で自らの力を発揮できる基礎的な力につながります。 年次必修科目に演習科目、実験演習科目を置き、基礎的な心理実験を少人数グループで体験できる仕組みになっています。実験演習のレポート作成と添削を受けるフィードバック経験を通じ、データの分析と学術的な論文作成の技能が習得できます。年次必修科目である実験演習を通じ、心理学の研究法をさらに深く体験します。年・年次の演習(ゼミ)では、専門性の高い学術研究の講読や実習を行い、特定テーマにおける心理現象を深く理解していきます。また各学年では基礎心理学および人間関係心理学の双方の領域において、さまざまな心理学分野をより専門的に学修できる科目(概説、特講など)を履修します。そして、年間の学修の集大成となる卒業論文が年次の必修科目となります。 https://jwu-psychology.jp/ 理念・目的心心理理学学科科 カリキュラムの構成と特徴

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