2021年 大学院要覧
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-101- 人間社会研究科 相関文化論専攻 本専攻は,現代における文化をめぐる動向に,学問的に対応しうるような,新たな文化学の教育・研究をめざしている。 現在,急速なグローバル化の流れのなかで,世界全体の共生・協働が求められている。文化に関しても,特定の地域や分野のみに限定された,従来の閉塞した文化論的パラダイムの再検討が迫られ,多元的な文化の接触・交流に基づく新たな文化の創造が必要となっている。 本専攻は,そうした状況をふまえ,諸地域間・諸分野間の文化の関係性を,その歴史性とともに考察できる豊かな教養と着実な研究能力,さらには新たな文化価値を生み出す独創性の涵養を目標としている。 前期課程では,文化の諸問題を,まず地域(日本・東洋,西洋,比較)と分野(芸術,文芸,思想)の特殊性に焦点を当てて専門的に考究するための教育を行う。さらにその上で,それら相互の相関性を捉えることができるような複眼的思考能力を養成する。 2008年度より開設された後期課程では,そうした相関性を,より高い次元から展望できるような相関文化論的視座の獲得をめざす。そのために,芸術論・文芸論・思想論・文化形態論等をリンクさせた重層的で複合的な教育体制を設け,そのもとで,各学生の研究テーマに即した個別的な指導が行われる。 前期・後期課程を通じて本専攻では,多様な異文化にしなやかに共振し,既成の世界に斬新な切り口を開いて,新たな文化的ネットワークを形成しうるような学生の養成をめざしている。 大学院学則第12条によりあらかじめ協議してある大学院との協定書は,181頁から202頁に掲載してある。 -108-

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