日本女子大学

食科学部(仮称) 2025年4月設置構想中

CONCEPT

「食」で拓く新たな世界。

「今日は何を食べようかな」
「今日は何か食べられるかな」
「食」に対する問いかけの違い、
そこから何が見えてくるでしょう?
世界の「食」における
栄養課題は深刻になっています。
全世界では、低栄養に苦しむ人々がいる一方で、
過栄養で生活習慣病に苦しむ人々も多いのです。
さらに自然にやさしい食文化が
根付く日本においても、
食料自給率の低下や孤食などの問題が
深刻化してきました。
いま、「食」について広く深く学ぶことは、
地球上のすべての命あるものが
健康に生きていくために必要なこと。
食科学部では、科学的観点から
幅広く「食」を学び、
グローバルな「食」の課題に立ち向かい、
未来の社会に貢献していくチカラを育てます。
「食」で拓く新たな世界。
あなたと
世界の可能性を広げるための学びをここから。

Faculty of Food and Nutritional Sciences
Faculty of Food and Nutritional Sciences
食科学科

CONCEPT

「食」で未来をつくる。

人生100年時代と言われる今、健やかで心豊かな暮らしのために「食」は欠かせません。近年では「多様化する食」「食の安全・安心」「孤食」などの課題や食から生まれる人と人とのコミュニケーションの利点など「食」を中心に据えた様々な観点が注目されています。食科学科では、生きるための「食」のみならず、心の豊かさのための「食」にも貢献するべく、食品の機能や栄養、調理操作やおいしさを科学的に探求。食品企業の開発や流通に関わるフードスペシャリストや、食品の品質管理に関わる専門職、家庭科教員など、活躍の場は多岐にわたります。未来を担う生活者のために、食文化から最先端テクノロジーまでを網羅し、「食」をつなぐ専門知識や技術を生かして、「食」の未来を切り拓くプロフェッショナルを育成していきます。

研究室の紹介

食品機能学研究室

研究室の主要テーマ
  • 1)食材あるいは食材加熱物に含まれる新規生物活性物質の探索
  • 2)新しい機能性カロテノイドの探索・創製とそれらの生物活性検討

教授

新藤一敏

博士(農学)

新藤一敏

調理・食味評価学研究室

研究室の主要テーマ
  • 1)TI・TDS法によるカカオ豆の異なるビターチョコレートの呈味特性
  • 2)産地の異なる黒毛和種の官能評価と理化学測定値との関係
  • 3)国産および海外種牛肉の官能評価と理化学測定値との関係
  • 4)官能評価と顕微鏡観察による黒毛和種牛肉の口中残線維の検討
  • 5)黒毛和種牛肉の食味特性におけるオレイン酸の影響

教授

飯田文子

応用生命科学博士・中学校・
高等学校教諭一種免許(家庭科)

飯田文子

特徴的な授業の紹介

3年次:食品機能学

食品に含まれる有効成分や
有効作用について紐解く

本講義では、これまでに開発された特定保健食品、機能性表示食品等に含まれている有効成分がどのような化合物か、またそれらがどのように有効作用を示すのか、について解説していきます。また、本講義で学ぶ有効成分の作用を実験で確認する「食品機能学実験」も開講されており、こちらも新藤が担当しています。

食品機能学 教授 新藤一敏

卒業生の紹介

※食科学科の前身である「家政学部 食物学科 食物学専攻」の卒業生のご紹介です(2023年8月時点の内容です)

吉田かな美さん(2018年卒業) 勤務先:キユーピー株式会社

日頃から「食」を軸に探究し、
おいしく安全な商品づくりの
道へ進みました。
Q.現在の仕事内容を教えてください。
家庭用のドレッシングやソースの開発をしています。商品の用途に合わせて、味や物性、外観などを調整し、様々な条件で試作や試験を行います。チームメンバーや商品企画担当者と試作品の試食をしながら意見交換をし、改良を重ねて理想の品位を作り上げていきます。また、試作とは規模も設備も異なる工場でも問題なく製造できるよう、実際に工場に行って、工場の担当者と相談しながら検証をすることもあります。
Q.大学ではどんなことを学びましたか?
幼いころから「食」に興味があり、調理や食文化、食品化学など幅広く学べる食物学専攻を選びました。特に好きだった授業が調理学実習で、実際に食材に触れ、五感で体感しながらおいしさの要素を学べたのはとても良い経験だったなと思います。また、食品衛生学や微生物学の知識は、安全な商品づくりに役立っています。開発の仕事をする上で、ベースとして食の知識を持っているのは今の自分の強みになっていると思います。
Q.受験生へのメッセージ
大学生は自分次第で色々とチャレンジできるので楽しいと思います。私の場合は「食」が好きだったので、「食」を軸に色々な経験をしました。大学では理論的に学び、学外では、飲食店や試食販売員のアルバイト、食育サークル活動などで体感的に食を学びました。また、食物学科は食に興味のある人が多いので、一緒に話題の店に行ったり、料理をしたり、情報交換をするなど、楽しく刺激的な毎日でした。そんな経験が今の自分の糧になっています。
栄養学科

CONCEPT

栄養ですべての人を幸せに

世界中のすべての人にとって、「食」には生きるために大切な役割があります。栄養素などを摂取するためだけでなく、健康な体や豊かな心をつくることにも欠かせません。栄養学科では、日本、そして世界の一人ひとりの幸せを栄養から支えるために、科学的な視点をもつ「管理栄養士」を育てます。「管理栄養士」としての活躍の場は様々。栄養面の問題を抱える人たちのヘルスケアや、傷病者の栄養管理、健常者の疾病予防、そしてパフォーマンス向上を目指すアスリートまで、幅広く一人ひとりのライフステージにおける幸せを支えます。世界中の人々のWell-Beingを実現するために、「食」を通じて、あたたかな幸せを作り出すプロフェッショナルを育成していきます。

研究室の紹介

臨床医学・代謝内科学研究室

研究室の主要テーマ
  • 1)糖質・脂質代謝に関する研究
    近年、消化管から分泌されるホルモン(インクレチン)や消化酵素が、糖代謝や脂質代謝の観点から注目されています。私の研究室では、消化酵素のうち、唾液と膵臓のアミラーゼに着目し、その濃度や遺伝子多型(コピー数多型)がどのように糖代謝やエネルギー代謝に関係しているかを研究しています(学部生と大学院生の研究テーマ)。
  • 2)大規模保健医療データに関する研究
    関東1都6県の特定健診などの保健医療データ(構造化ビッグデータ)を厚生労働省から提供を受けて研究しています。肥満、痩せ、高血圧、脂質異常症、慢性腎臓病などの代表的な生活習慣病について様々な側面から解析しています。ビッグデータは、機械学習(人工知能)との相性が良いので、機械学習による10年後の予測などもしています(大学院生の研究テーマ)。

教授

中島啓

博士(医学)・医師

中島啓

基礎栄養学・ゲノム医科学研究室

研究室の主要テーマ
  • 1)世代継承される疾患リスクに関する研究
    若い世代の人々の食生活を含む生活環境や遺伝要因が、その世代及び次世代の将来の疾患リスクにどのように影響を及ぼすのかを明らかにし、疾患予防に役立てます。
  • 2)細胞外小胞の積み荷(内容物)組成に及ぼす栄養刺激の影響に関する研究
    細胞外小胞に含まれるRNAやペプチドの種類が栄養条件によってどのように変化するのかを明らかにし、栄養機能の新たな理解に役立てます。
  • 3)栄養プロファイリング手法を用いた食事の質の改善方法の開発
    複数の栄養素のプロファイリングをもとに食品をランクづけし、低スコア食品を高スコア食品で置き換えて食事の質を改善する有効な方法を確立することを目指しています。

教授

佐藤憲子

博士(医学)・医師

佐藤憲子

特徴的な授業の紹介

2年次:臨床医学各論Ⅰ(臨床検査学概論を含む)

医療機関での栄養食事指導で
必要な臨床医学の基礎知識を学ぶ

管理栄養士の主な業務の一つに、医療機関での傷病者への栄養食事指導があります。栄養食事指導を行うには、傷病者に対する理解を深めることが大切です。傷病者はさまざまな病気を抱えていることが少なくありません。そのため個々の病気について学び、栄養療法を中心とする「臨床栄養」の授業につなげます。授業では、病院など臨床の現場をイメージしやすいように具体例を挙げながら進めています。また、単なる暗記科目ではなく、理系科目として「なぜ、そのようになるのか」というメカニズムを理解することにも重きを置いています。医療機関での栄養食事指導では、正しい病気の知識を持ち、傷病者に寄り添える医療職の一員であってほしいと思います。

臨床医学・代謝内科学 教授 中島啓

卒業生の紹介

※栄養学科の前身である「家政学部 食物学科 管理栄養士専攻」の卒業生のご紹介です(2023年8月時点の内容です)

大城美桜さん(2018年卒業) 勤務先:東京大学医学部附属病院

医療チームの一員として、
栄養で患者さんの未来を支えています。
Q.現在の仕事内容を教えてください。
疾病の進行予防や回復に向け、栄養食事指導や入院患者さんの栄養管理を行うことが業務の中心です。現在は、緩和ケアや摂食嚥下障害、糖尿病療養に関わる医療チームの一員となり、患者さんの栄養障害の改善に向けた栄養食事療法の計画や療養指導を行っています。食や栄養は生活と密接に関わる事柄でありながら、疾病治療の根幹を支えるものでもあります。大学での学びを活かし、経験を重ね専門性を高めることのできる職場です。
Q.大学ではどんなことを学びましたか?
身近な食を科学的な視点で追究する栄養学の面白さもさることながら、1年次から行われる多様な演習や実習を通して、チームワークを意識して課題解決にあたる力が身に付きました。臨床の現場では、刻々と変化する状況の中で、現在の最善は何かを考え行動するため、多職種によるチームで協働し業務を行います。大学で学び得た、多面的なものの見方や、チームで意見や情報を共有し共通の目標に向かう姿勢が、活かされている毎日です。