|特集1|「4年ぶり」の企画が盛りだくさん!学園の実りの秋です

遠足、運動会、文化祭と、イベントが目白押しの秋。2023年度の秋は、ここ数年の秋とはちょっと違いました。

豊明幼稚園年長組は西生田キャンパスで5月に植えたお芋を掘り、年少・年中組は遠足に出かけて、自然と触れ合うのびのびとした時間を過ごしました。豊明小学校の児童たちは西生田農園での収穫作業に汗を流し、豊かな実りを実感していました。中学校で行われた十月祭の前夜祭の前の全校朝礼では、4年ぶりに全校生徒が揃って十月祭の歌を歌うことができました。高等学校のもみじ祭実行委員長は「『例年』や『当たり前』を知らないからこそ、もみじ祭を通して新しい挑戦をしたい!」と決意を綴っていました。そして大学の目白祭は、2021年のキャンパス統合後初の、人数制限のない学園祭となりました。

学園全体に新しい歴史が刻まれた秋のイベント特集です。


目白祭
日本女子大学

野外ステージでのイベントは両日とも大盛況でした

実行委員会主催のスタンプラリーにもたくさんの方が参加

日本女子大学オーケストラは組曲「仮面舞踏会」などを披露

多彩な食を満喫できた目白祭

今年の目白祭のテーマは『華ぐわし』です。

花が美しいことを意味する枕詞「花ぐわし」の花を「華」に置き換えて、学生一人ひとりが持つ個性を、豊かな華麗な花々のように表現したいという願いを込めて決定しました。

キャンパスに一歩足を踏み入れると、お揃いのはっぴを着た目白祭実行委員たちが迎えてくれました。

「目白祭に参加を希望する団体は、企画書の審査を経たうえで参加が決まります。今年は飲食の提供ができるようになったので、食べ物系の審査が多かったようです。昨年とはまったく違う雰囲気なのでワクワクします」と、食物学科の実行委員が答えてくれました。

「減塩定食を作っています」という看板に誘われて百年館百206教室を訪れると、食物学科3年生が簡単でおいしい減塩の工夫を紹介し、「最も塩分の少ない料理はどれ?」というクイズを行っていました。正解するとカリウムをたっぷり摂れるバナナケーキがいただける企画です。また、七十年館5階では、減塩レシピで作った定食も提供していました。

百年館百207教室では、調理・食味評価研究室がミツカングループと共同で展示を行っていました。調理・食味評価研究室は食品そのもののおいしさを数値化するため官能評価法を行う研究室です。昨年、ミツカングループと産学協同の協定を締結し、「にっぽん食プロジェクト」を始動しました。プロジェクトの一環として制作し、目白祭でも提供されていた『にっぽん食レシピブック』には、時短が考えられた力作レシピの数々が紹介されていました。担当教授の飯田文子先生は「今年の4年生はコロナ禍の影響を最も受けた学年です。でも大学生活最後の今年は実習も思う存分行うことができて、充実した学びを実践できました。皆がそれぞれの志望進路を目指して頑張っています」と語ってくださいました。

七十年館1階の生協食堂は通常通りの営業を行い、2階のファームには焼き立てパンが並びます。学生サロンでは映画研究会がポップコーンを販売し、生協学生委員会 は唐揚げを提供するなど、食の秋を満喫することができました。

声を出し、身体表現をするコミュニケーションの素晴らしさを実感

声を出すコミュニケーションや身体表現が活発になったのも今年の目白祭の特徴です。

日本女子大学合唱団や緑会合唱団などの音楽系団体は美しいハーモニーを響かせ、八十年館で行われた「日本女子大学コンテスト2023」では、5人のファイナリストによるプレゼンテーションに大きな声援が送られていました。

第一体育館では競技ダンス部がパートナー校と共に華麗なダンスを繰り広げていました。六大学戦を控えた3、4年生は各カップルによるデモンストレーションを、1年生はフォーメーションの発表を行いました。

運動系サークルの中でも、キャンパス内を元気に飛び回っていたのは3年ぶりの目白祭参加となったバレーボール部です。香雪館の香103教室ではストラックアウトを行い、人気アニメのキャラクターとプレーする気分になれるフォトスポットもありました。

週1回、目白台図書館で絵本の読み聞かせをおこなっている「児童文学研究会ひなぎく」は絵本の読み聞かせと共に紙芝居とパネルシアターを開催していました。「ひなぎく」も今年度から講談社主催の「読み聞かせ隊」ボランティアにも参加するなど、新たな取り組みをスタートさせたそうです。

日本女子大学でしか出会えないモノたち

学生たちの作品やJWUグッズを手に入れられるのも目白祭ならではです。

短歌リレーが盛り上がりを見せた短歌会では、今年度の歌集を販売していました。また、写真部が販売していたポストカードの中には、すでに卒業した先輩の作品もあるとのこと。今ここでしか出会えないモノとの邂逅です。

コロナ禍で海外渡航が難しかった中でもカンボジアの母親支援活動を脈々と続けてきたのは、家政学部児童学科、和田上貴昭先生のゼミです。目白祭ではカンボジアのお母さんたちが一針一針、心を込めて縫った布製品を販売していました。日本での売上は、カンボジアのお母さんたちに届けられ、子どもの就学費用として使われるそうです。

設立120周年を迎える桜楓会には、キャンパススイーツの「女子大カステラ」と「女子大外郎(ういろう)」の予約販売のお知らせがありました。注目は附属中学校の制服をかたどったキーホルダーです。今までは夏服デザインのみでしたが、今年から販売されている冬服は、保護者の方々に好評だそうです。「豊明小学生のランドセルにつけていることが多い」とのこと、附属中学への入学を楽しみに通学する小学生を見守っているのかもしれません。

漫画研究会「まるぼつ」にはOGで漫画家の目白花子先生がサプライズ訪問

ピリリとした緊張感に包まれた合気道部の演武

被服学科有志で行われたファッションショーには土日ともに大勢の観客が集まりました


もみじ祭
日本女子大学附属高等学校

前夜祭でのBRASS BANDによる演奏

アトリエによる展示発表

ろぼ研による展示発表

「NewTopia」をみんなの手で

第75回もみじ祭は、38の研究グループに所属した生徒たちが、舞台発表、研究展示、招待試合などを行いました。今年のテーマは「NewTopia」。新しいという意味のnewと、ギリシャ語で理想郷を意味するtopiaを掛け合わせた造語です。4年ぶりにコロナ以前の形態で行われるもみじ祭への期待をエネルギーとして、一人ひとりが活躍できる「新しい理想郷」を創り出したいという想いを込めました。今年度は2日間で5,000人を超える方々がお越し下さり、学校中が活気あふれる生徒皆の舞台となりました。どの研究グループも今まで努力してきた自信と、存分に楽しんでいる笑顔とに溢れ、仲間と共に力を尽くす喜びを肌で感じていました。

もみじ祭が終わった今、私の心には想像以上の達成感と、多くの方々への感謝、そして「もう終わってしまった」という寂しさが入り混じっています。当日を迎えるまで、責任の重さから辛い思いを感じた日々もありました。それでもやって来られたのは、周囲の人々の支えがあったからです。3学年の委員会の仲間たち、研究グループだけでなく係の仕事も行ってもみじ祭を支えてくれた全校生徒の皆さん、クラスメート、先生や用務員の方々、そして家族。関わって下さった全ての方々のお力と優しさと笑顔に助けられ、もみじ祭開催まで駆け抜けることが出来ました。

第75回もみじ祭は幕を閉じましたが、本校のもみじ祭はまだまだ続きます。伝統を受け継ぎながらも新しさが加わっていく来年度のもみじ祭にも期待して頂けると嬉しいです。

(第75回もみじ祭実行委員長 西村美海)

色鮮やかに描いた夢が叶う

私にとってこんなにも全力を尽くして完全燃焼できたと言える文化祭はこれまでありませんでした。準備期間は何度も悩んで何度もやり直し、私自身も委員として どう動くべきか分からないことも多く、大切な周りの人達を見て胸を痛めることもありました。しかし、 やっと迎えられた久々の制限なしのもみじ祭は、研究グループの展示、発表が活き活きとしていて78,77,76 回生の3学年にしかできないものに間違いなくなっていました。研究グループの皆さんの協力があってこそ、こんなにも色鮮やかに「NewTopia」らしく輝いたもみじ祭を完成させることができました。

当日は保護者の方々、卒業生の方々、生徒の友人、知人の方々、附属中学校の方々など本当に沢山のお客様を迎えることができ、皆さまのご来校がもみじ祭をさらに彩ってくださったと考えています。制限なしのもみじ祭だからこそ、委員も多くのことを企画し、一人ひとりの仕事量が例年よりも多かった中、先生をはじめとした多くの方々が一緒に私たちの夢を叶えようとして下さったことを本当に感謝しています。温かいメンバーが集まったクラスにも支えられ、副委員長としての仕事をやり遂げることができました!最後にはなりましたが、ご来校下さった皆さま、用務員さん、先生方、そして全校生徒の皆さん、ありがとうございました。

(第75回もみじ祭副実行委員長 小仲春奈)

本館2階のもみじ祭実行委員会の屋台

もみじ劇場でのMUSICALの舞台発表

大ホールでのOH*TAKARAZUKAの舞台発表


十月祭
日本女子大学附属中学校

生徒会総務企画(ディスカッション)

ミュージカルクラブ

バレーボールクラブ

「RUN WAY」に思いを込めて

伝統という種に今年らしさを加えて咲かせた十月祭の花は、あたたかく個性が溢れるものとなりました。今年度は、感染症の影響により制限を受けてきた近年の十月祭と比べ、本来の伝統的な形で行うことができました。その年の最善は何か、と工夫を重ねて毎年形を変えながら開催してきましたが、やはり皆が学校に揃って行う十月祭というのは、どこか皆が繋がって、皆で創ってこその行事であると強く実感するものでした。同じその時に頑張っている仲間がいる、それ以上に励まされ、活気と一体感を感じるものはありません。十月祭に決まりはなく、形を創っていくのは私たち自身です。だからこそ、華やかな表舞台の裏には見えない努力が沢山ありますが、十月祭を通して、その過程が何よりも大切なことを私たちは深く理解します。今年度掲げた基本方針「RUN WAY」は、個性を尊重し合い、挑戦を重ねて繋がるという思いが込められています。多くの準備があってこそ当日のステージが輝くというように、様々な立場から十月祭に携わる人がいて、その全ての懸命な取り組みが当日の活気や成功を作り出しました。

十月祭は、普段の学校生活とはまた違う学びを与えてくれます。その学びから得る多くの気づきは、私たちの背中を押してくれるものになることでしょう。十月祭というRUN WAYの先にある一人ひとりのRUN WAYを、これからも私たちは歩み続けます。

(十月祭行事委員長 今西奈央)

笑顔と熱気が満ちた十月祭に

今年の十月祭は4年ぶりに制限なしにお客様をお迎えすることができ、5,000人以上の方に来ていただくことができました。私たち十月祭行事委員は3月から当日までの約8か月間、たくさんの準備を重ねてきました。

主に当日のための企画を担当する本部企画では、ひとりでも多くの人に楽しんでいただくことを目標にフォトスポットやスタンプラリー、Zoomでの校内ツアーなどの企画づくりに取り組みました。活動は3学年で話し合って企画の骨組みを作るところから自分たちで行います。特にコロナ禍を経て多くのお客様をお迎えすることができた今年は、沢山の人に喜んでもらいたいという一心で来校者の目線から試行錯誤を重ねました。しかし、実際に作ってみるとなかなか思い通りに進まないことの連続で、皆でアイデアを出し合いながら毎日のように十月祭と向き合ってきました。全ての人にとっての日々の活動の集大成であり、見慣れているはずの学校が知らない場所に思えるほど熱気に満ち溢れていた当日の2日間。何か月にも及ぶ苦労があったからこそ感じることのできた当日の達成感の大きさは、筆舌に尽くしがたいものでした。

私たちの作った企画で喜ぶお客様の顔を見た瞬間の感動は忘れられるはずもありません。ひとつの通過地点であり、スタート地点でもあるこの十月祭が、私たちにとってこれからさらに成長していく道標になることと思います。

(十月祭本部企画総責任者 大沢はるか)

書道クラブ

軽音楽クラブ

生物クラブ


実物教育・秋の収穫体験
日本女子大学附属豊明小学校

実物教育のひとつである秋の収穫体験。日頃、西生田農園を管理している施設課の方が、野菜の成長過程や畑にいる生き物のことまで、現地で直接収穫に立ち会いながら子どもたちにわかりやすく教えてくれます。泥だらけになっても、笑顔で楽しそうに収穫する子どもたちの姿は、充実感と達成感で輝いていました。

初めての収穫行事、ピーナッツ掘りにワクワク

2年生は生活科の校外学習でピーナッツ掘りへ。収穫するピーナッツの品種は「おおまさりネオ」という品種で、かなりの大粒です。事前学習でピーナッツが土の中で育つことを初めて知った子どももいて、みんな初めての収穫行事にワクワクドキドキです。葉をかき分けて根元を持って抜くと、大きく立派なピーナッツが次々と見つかり、歓声があがりました。さらに抜いた後の土の中にもたくさんのピーナッツが残っていると教えていただいて、びっくり!土の中まで夢中になってピーナッツを掘りました。花が土の中に進んで結実するピーナッツ、実物で確かめられた貴重な時間になりました。 (実施日:2023年10月25日)

秋の実りと土の香りを感じたサツマイモ掘り

3年生は理科の校外学習でサツマイモ掘りへ。畑に張った黒いマルチフィルム(保湿や病害虫・雑草予防のための)を破り、土の中からサツマイモがひょっこりと顔を出した瞬間、子どもたちはみんな大興奮。次から次へと大きなお芋が出てきて大豊作です。夢中で掘り続け、帰りにはあまりの重さに持ちきれないほどでした。収穫したサツマイモはそれぞれ自宅に持ち帰った他、給食でも後日提供されました。汗をかいて一生懸命自分たちで収穫した野菜の味は格別ですね。天候にも恵まれ暖かい日差しに包まれた中で、秋の実りと土の香りを肌で感じられた体験となりました。 (実施日:2023年10月26日)

達成感を味わった稲刈りと里芋掘り

爽やかな秋の空の下、5年生は稲刈りと里芋の収穫に西生田へ。

稲刈りでは、5月に植えた苗の予想以上の成長にみんなびっくり。初めて持つ鎌に緊張しながら、稲を逆手に持って根元を刈り取ります。3クラスで全部刈り取り、達成感を味わいました。

里芋掘りでは、ゆっくりと細心の注意を払いながら株ごと掘り上げます。親芋の周りについている子芋や孫芋を夢中で掘り、ずっしりとした里芋の重みに、収穫の喜びを感じながら取り組むことが出来た体験となりました。 (実施日:2023年10月11日)

大きくて立派なピーナッツが次々と!

あまりの重さに持ちきれないほど大豊作でした

刈り取る際のザクッという感触にドキドキ


遠足
日本女子大学附属豊明 幼稚園

自然と触れ合い、新しい発見

10月17日(火)、年中組が井の頭自然文化園へ遠足に行ってきました。

遠足へ行く前に、井の頭自然文化園動物解説員の方にZoomでお話ししていただく機会を作り、“どんな動物がいるのか”“どんなエサを食べるのか”“飼育員さんの1日”などのお話を伺いました。最後には質問コーナーがあり、「ヒツジはどうやって産まれてくるの?」といった質問の数々に、とても優しく丁寧に答えていただきました。子どもたちは「お話に出てきた動物たちに会いたい!」とますます遠足が楽しみになったようでした。

そして迎えた遠足当日は、心地よい天気のもと、親子でしおりに書かれているクイズに挑戦したり、自由に観察したりしました。事前にお話で聞いていた動物に実際に会えるととても喜んでおり、興味を持った動物を絵に描く子どもの姿も見られました。初めて見るクチバシの形に驚いたり、他にも新たな気づきがあったりと、実物を見ることで得られた学びがたくさんありました。

遠足後には幼稚園にしおりを持ってきてもらい、子どもたちが気づいたことや疑問に思ったことをクラスや学年で共有する場を設けながら、「フェネックの耳が大きいのはよく聞こえるためかな?」と自分なりの考えを出したり、iPadや図鑑を用いて調べたりしました。

井の頭自然文化園の方のご協力のもと、子どもたちは今まで以上に動物に興味を持ち、楽しい遠足となりました。

Zoomにて井の頭自然文化園動物解説員の方のお話を聞きました

「このクチバシ、おもしろい!」生き物を自由に観察しました

子どもたちが不思議に思ったことや気づきが書かれていました