本学では、2021年度から「ピア・サポート制度」が開始されています。コロナ禍を受け、学生間(ピア)での相互支援を活発化するために始まった制度です。「ひめピア」という愛称で親しまれ、今年度も30名ほどの学生が活動に参加しています。
ピア・サポート活動は、全国の約半数の大学で導入されており、活動形態も様々ですが、ほとんどの大学で「ピア・サポーターとなるための研修」を実施しています。本学でも「ピア・サポーター養成講座」をカウンセリングセンターが担当し、月に1回程度の研修を行っています。
5月に開催された日本学生相談学会第41回大会(昭和女子大学)では「ピア・サポーター養成講座と実践活動の関連性―グループプロセスの実践活動への影響を考える―」というテーマで、本学のピア・サポート活動について発表させていただきました。(発表者:北島、平野、大岩)
以下、発表内容をご紹介します。
1.本学のピア・サポート制度の特徴と養成講座の内容紹介
本学のピア・サポート活動の特徴として、建学の精神(三綱領)と深く関連している点を取りあげました。また、養成講座では「カウンセリングやメンタルヘルスに関する講義」だけでなく、「グループディスカッション」「相談・イベントの実行」など学生主体の活動を積極的に取り入れていることも、特色として報告しました。
2.養成講座のアンケートの結果の報告
養成講座でのアンケート結果をまとめ、発表しました。「講座に関する理解度」は全期間を通じて高いレベルを維持している一方、「活動に関する積極性」「学生同士の関係性」に関しては、中期に一時低下し、後期に行われた実践活動(企画・イベント)を通じて、再び高まることがわかりました。
養成講座が学生同士の関係づくりの場を提供していること、実践活動が、学生の積極性を育み、学生同士の関係性の発展にも大きく貢献していることがわかりました。
発表当日は、他大学でピア・サポート活動に関わっている方から、「相談の場は開放的な方が適している」「相談箱の設置が効果的」など貴重なご意見をいただき、各大学が行っている創意工夫を共有できました。
本学でのピア・サポート活動は、学生、教職員、保護者の方々のご協力によって実現されています。今後の発展のために、ご理解ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
カウンセリングセンター専任研究員 北島歩美(臨床心理士・公認心理師・家族心理士)