~ JWU PR アンバサダー ~卒業生 interview

『仲間に恵まれて培われた力』

須藤有希さん
(東芝インフラシステムズ株式会社・理学部数物科学科2014年卒、理学研究科数理・物性構造科学専攻2016年修了)

まだ寒さが厳しい2月の中旬。日本女子大学理学研究科の数理・物性構造科学専攻を修了し、株式会社東芝に入社された須藤有希さんに目白キャンパスまでお越しいただき、インタビューをさせていただきました。須藤さんの信念やお仕事の内容をお話ししていただきました。

|profile| 須藤有希さん(Sudo Yuki)

大学から本学で学び、2014年3月に理学部数物科学科(現・数物情報科学科)を卒業したのち、同年4月に本学の理学研究科数理・物性構造科学専攻に入学。専門は電波天文学。2016年3月に修了し、同年4月に株式会社東芝に入社。2017年7月からは分社化により東芝インフラシステムズ株式会社に承継され、現在は防災システム(テレメータ放流警報システム)の設計担当として従事している。


日本女子大学は私の人格を作ってくれた場所

私にとって日本女子大学は、今の自分の人格を形成してくれた場所です。小学校から高校までの12年間は日本女子大学とは別の女子一貫校に通いましたが、系列大学がないこともあって日本女子大学への進学を決めました。

もともと物理や数学が好きだったので、理学部数物科学科を選択しました。数物科学科は実験が多く、1年生の時でも3~5時間は実験があり、3年生にもなると1日中実験に追われる日も。当時を振り返ると、つねに「大変、大変」と言いつつも、その忙しさをどこか楽しんでいる自分がいました(笑)。

そして、その実験の多さが自分の人格を作る基礎になっていると思います。実験は1人で黙々とするものではなく、グループのメンバーたちと協力し合う必要がありますし、時には議論を交わすこともありました。そこで培われたコミュニケーション能力が、社会に出てからも非常に役立っています。関わる部署も多い現在の仕事では、各担当者と連携して仕事を進めていく必要があるからです。

また、Microsoft Officeなどの基礎スキルも学生のうちから学科のカリキュラムを通じて身につけることができ、入社してからも業務上の助けになっています。

セールスエンジニアに惹かれて

大学3年生の時、周りの同級生たちは就職活動をしていましたが、私は社会人になるというビジョンがまだ見えてこなかったこともあり、大学院に進学して専門性を高めてから卒業した方がよいと考えました。

院生となり就職を意識した際に、中学・高等学校(理科)の教員免許は専修免許状まで取得予定だったので、教員になるか、企業に就職するかをギリギリまで迷いました。その際に決め手となったのは、自分がどんな環境で働きたいかということでした。私はより多くの人生の先輩方がいる環境で学びたいと思い、企業への就職を決めました。

なかでも大学院までの学びも生かせる技術的な仕事として東芝の「セールスエンジニア(技術営業)」という職種に惹かれました。営業や設計の仕事だと、どうしてもその分野の専門性に偏りがちですが、セールスエンジニアはその間を埋めるイメージの仕事です。お客様からの要望に対して技術提案をする機会が多く、事業に対しての広い知識が必要となる点に魅力を感じました。

誰かのために役立つ仕事

東芝に入社してからの数年間は、希望どおりセールスエンジニアの職に就いていましたが、現在はダムに関わる防災システム(テレメータ放流警報システム)の設計を担当しています。おもなクライアントは国土交通省や地方自治体であり、工事受注から引き渡しまでの全ての工程(受注後の仕様検討・調整、ハードウェア/ソフトウェア設計と連携した詳細設計、工場調整試験項目の検討、操作説明会の対応など)に携わるなど、幅広い業務を担っています。つねに複数の案件を抱えて同時並行で業務をこなしていくため、マルチタスク能力が求められますが、これまでのセールスエンジニアの経験も生きています。

防災システムは、有事の際に必ず使える状態でなくてはならないという重い責任を伴う仕事であり、人命にも関わる重要なシステムです。そこに仕事のやりがいを感じています。

今後は、より深みのある設計を目指していきたいと思っています。そのためには、現在携わっているシステムと密接な関係にあるダムや河川を管理する防災システムも理解することが重要ではないかと考えています。

毎日の朝会(定例ミーティング)の様子
チームメンバーが集まり、お互いに意見を出し合いながら今日行う予定の作業の確認や、進捗確認を行う

最高の仲間に恵まれている

職場のチームは非常に面倒見の良い先輩方ばかりで、わからないことは丁寧に教えていただけて、楽しく導いてくださります。居心地の良い職場環境だからこそ、やりがいを持って仕事を続けられているのだと思います。

また、大学院時代の奥村研究室のメンバーとは、先生も含めて今でも定期的に飲み会をしています(笑)。奥村先生は、曖昧なところがなく、いつでもはっきりと良し悪しを伝えていただき、進むべき道を示してくださりました。卒業後も交流を持てる仲間たちと出会えたのは奥村研究室で過ごした日々があったからです。今はそれぞれのキャリアを歩んでいる仲間たちと定期的に会うことが刺激になっています。

学生時代はたくさんの人と関わりを持ってほしい

社会に出てから必要となる人間性は、大学時代の人との関わりの多さによって培われるものだと思います。それぞれ異なった価値観を持つ人たちから刺激を受け、自分がどのような人間であるか理解することが大学生活の中で重要だと思います。

また、学生の皆さんが持つ「素直さ」をぜひ大切にしてほしいと思います。先生方との距離感が近い日本女子大学だからこそ、先生方がおっしゃったことを素直に受け止めて、課題を改善していく訓練を重ねることで社会に出てから輝く人材になれるのではないでしょうか。

須藤さんはとてもしっかりした学生さんでした。今もときどき会いに来てくれて、卒業後の活躍が聞けるのを嬉しく思っています(奥村先生)


interviewを終えて

最初は、文学部の私が理学部出身の須藤さんに上手くインタビューできるか不安でしたが、ご丁寧に詳しく説明してくださり、興味深くお話を伺うことができました。

インタビューのご回答から須藤さんの信念の強さや誠実さが伝わってきました。素敵な方々に囲まれているのも須藤さんのお人柄の良さがあるからなのでしょう。お仕事の話をしている須藤さんは、明るくいきいきとされているのが印象的でした。

コロナの規制が緩和されつつある今日、今までの制限を取り返すかのごとくたくさんの方々とコミュニケーションをとって刺激を受け、自分自身を高めていきたいと思いました。
(JWU PR アンバサダー/文学部 日本文学科1年 遠藤なゆ)

JWU PR アンバサダーとは?

日本女子大学を代表して、「等身大の声」を幅広い世代に発信する学生組織です。
2021年度に結成し、本年度は新たなメンバーも加わり活動をしています。学園ニュースの他にも、大学ウェブサイトや公式SNSで情報発信をしていますので、ぜひチェックをお願いします。