~ JWU PR アンバサダー ~卒業生 interview

『培った日本語力で留学生をサポート』

本橋楓さん
(帝京大学国際交流センター・日本文学科2019年卒、文学研究科日本文学専攻2021年修了)

蝉の声が鳴り響く8月上旬。雲ひとつない青空に向かってそびえ立つ立派なキャンパスが印象的な帝京大学を訪れました。今回お話を伺ったのは、帝京大学国際交流センターに勤務されている本橋楓さんです。日本女子大学で過ごした学生時代から現在のお仕事のことまで盛りだくさんにお話していただきました。取材から感じられたのは、日本女子大学での学びを今に活かしていらっしゃることと、お仕事への情熱でした。

|profile| 本橋楓さん(Motohashi Kaede)

日本女子大学附属豊明小学校から本学園に学び、2019年3月文学部日本文学科を卒業。在学中に「日本語教員養成講座」を修了。2021年3月本学大学院文学研究科日本文学専攻を修了。同年帝京大学八王子キャンパス国際交流センターに入職し、留学生が過ごしやすい大学づくりに奮闘している。


学生時代の学びが今の私をつくる

日本女子大学は、まだ女性が教育を受けることが一般的ではなかった時代から女性教育に力を注ぎ、学びたい人に学びを届けてきた大学です。その環境で学んだ時間は非常に充実したもので、何事も自分で考え、自分の力でやり遂げる、という精神も身についたと思います。また、ゼミ活動や研究を進める中で、教授をはじめとした年上の方々とお話しする機会を多く経験し、同年代だけでなく、さまざまな年代の人との交流により、コミュニケーション能力や柔軟な対応力が鍛えられました。

大学、大学院では、坂本清恵先生の研究室で学んでいました。多くのイベントや講演会などに連れ出していただいたことが、とくに印象に残っています。いま思い返すといろいろな経験をさせていただいたことが、身になっていると感じ、日本女子大学で過ごした時間が今の私のバックボーンになっています。

日本語教育課程の実習で発表する本橋さん

正しい日本語が強みとなる

社会に出てから重要となるスキルのひとつに「正しい日本語を使えること」があると思います。きちんとした日本語には説得力があるからです。学生時代ももちろんですが、社会人になるとさらに自分の考えや意見を述べる場面が多くあります。日本文学科では日本文学や日本語学だけでなく、自らの意見を正しく言葉で表現する力を学ぶことができました。

また、自分で調査したことを根拠として人前で発表する演習の授業が充実していたため、分析する能力やプレゼンテーション能力、コミュニケーション能力も磨かれたと思います。大学職員は一見すると事務の仕事が多そうですが、じつは学生相手のガイダンスなどで説明する場面が多々あります。その際にこれまでの学びが活きていると感じています。

「教育の場」を支えたい

自身の経験を振り返った時、大学では良い環境の中で、自分の興味がある分野をとことん追求できたと感じています。学生時代に学びの尊さを実感したことで、今度は自分が教育現場で学生たちを支える立場に立ちたいと思い、大学職員という職業を選択しました。

国際交流センターでは、行政との手続きや学生の交流イベントの企画など、日々、留学生を相手にさまざまな業務に携わっています。学生に正しい情報をいち早く、そしてわかりやすく伝えることを心がけており、大学生の時に取得した日本語教員養成講座の経験も大いに役立っています。

イベントを学生主体で企画してもらうと、学生ならではの視点や柔軟な発想に驚かされることもあり、教育現場を支えているようで、じつは私が学生たちに支えられていると感じる場面も多々あります。ですので、仕事をするうえで、学生の意見や考えにも真摯に向き合うことを大切にしています。

大学職員の醍醐味

大学職員の醍醐味は、何といっても学生の成長を間近で感じられることです。たとえば、少し前まで頼りない1年生だった留学生も学年が上がって後輩ができ、上級生らしく後輩を引っ張っている姿を見ると、嬉しくなります。

現在、帝京大学の八王子キャンパスには1,000人ほどの留学生が在籍しており、国籍もアジア圏を中心にさまざまです。日本の文化はもちろんのこと、気候ひとつにしても国籍によって感じ方が大きく異なります。そういった違いを知ることも楽しみのひとつです。

また、感染症の影響で入国できていない留学生とは、来日する前から何度もメールでやり取りをするのですが、その留学生が日本に到着して、大学の国際交流センターを訪れてくれた時は、入国できて良かったという安心感と「やっと会えた!」と感慨深い気持ちになります。とくにコロナ禍でビザ発給に時間がかかる状況でもあるため、その感動は格別です。

昨年度開設したという留学生と日本人学生との異文化交流スペース「OUCHI COMMONS」

日本女子大学で学ぶことを誇りにしてほしい

日本女子大学は女性のさらなる社会進出を目指して、質の高い教育を提供する教育機関であり、さまざまなことを学ぶうえで素晴らしい環境であると感じています。日本女子大学で学べるということに誇りをもって日々を過ごしていただきたいと思います。

また、人との縁を大切にしてほしいです。縁は可能性を拓く武器となり、時には自分の限界を突破する力を持てると感じています。


interviewを終えて

日本女子大学で学ぶことの尊さを実感し、教育現場で働いている本橋さんにたくさんのことを学ばせていただきました。その中でも、留学生への接し方や学生のことについてお聞きした時、私自身もアルバイトの塾講師として学生に勉強を指導する立場にいるので、とても共感することが多くあると同時に、本橋さんの学生への真摯な向き合い方に感銘を受けました。私も本橋さんのように人と人との関わりを大切にし、人の心に寄り添える女性になりたいと思います。
(JWU PR アンバサダー/文学部史学科2年 西部あかり:写真左)

私にとっては今回が初のインタビューということもあり、本橋さんとお会いしたときはとても緊張していました。しかし、明るく朗らかな本橋さんのお人柄に触れ、お話しするうちにすっかり緊張がほどけ、たくさんお話を伺うことができました。きっと国際交流センターを訪ねる留学生のみなさんも本橋さんの笑顔に安心して相談ができるのだろうと感じました。

また、印象的だったのは、日本女子大学の三綱領「信念徹底」「自発創生」「共同奉仕」をすらすらと唱えていらっしゃったこと。日本女子大学での教えがしっかりと身についていらっしゃるのを感じました。私も本学で学ぶことを誇りに思い、人との縁を大切にして日々の学びを深めていきたいと思います。
(JWU PR アンバサダー/文学部日本文学科1年 遠藤なゆ:写真右)

JWU PR アンバサダーとは?

日本女子大学を代表して、「等身大の声」を幅広い世代に発信する学生組織です。
2021年度に結成し、本年度は新たなメンバーも加わり活動をしています。学園ニュースの他にも、大学ウェブサイトや公式SNSで情報発信をしていますので、ぜひチェックをお願いします。